アメリカ一極体制から変わりつつある世界の情勢

冷戦終結からアメリカ一極体制の時代へ

1987年にベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦が終わりました。資本主義と共産主義という旗印を掲げて世界の覇権を争っていたアメリカとソ連(今のロシア)ですが、1991年にソ連が崩壊し資本主義体制が誰の目にも明らかになりました。この結果ロシアも市場経済の中に組み込まれていきますが、1998年にはロシア金融危機が発生。すると、かつてアメリカと力を二分していた大国・ロシアの力も地に落ち、東西が同じ力を持っているとはもはや誰も思わなくなりました。こうして、本当の意味でアメリカ一極の体制がやって来たのです。

本当にアメリカは強くなりました。ブッシュ大統領のイラク戦争派遣をはじめとして、アメリカは世界各地の紛争に口と言わず手も出して、まるで世界の警察かのような動きをしています。「大量破壊兵器を隠し持っている」との口実を拠り所にイラクを攻め、犠牲者を1000人と出さずに国を転換してしまったのですからその影響力は相当なものです。イラクも弱い国では無かったはずですし、地理的にアメリカとは正反対にある国です。アフガニスタンもしかり。ロシアが介入して全くと言っていいほど上手くいかなかったのに、アメリカが介入したらアフガニスタンはあっという間に統一政府になってしまいました。その前、1970年代にはベトナム戦争で負けて威信を堕としましたが、それはすでに過去の事のようになっています。

 

ここ最近、力を増している中国、ロシア、イラン

それから早20年弱、今はこのアメリカ一極体制が弱くなってきていると見ていいでしょう。アメリカの立ち位置を脅かしている国は次の3国です。まずはロシア。ロシアも弱くなったとはいえ、徹底的に破壊されたわけでもないですし、国連の常任理事国でもあります。米大統領選にロシアが干渉していたとの疑惑もありますし、その影響力は無視できません。注目すべき国はイラン中国です。これからはこれら3国とアメリカ連合軍(アメリカ連合軍は、アメリカを中心にEU諸国、イギリス、南米諸国、日本、オーストラリアなどを含む)によって世界は区切られるのではないでしょうか。

未だにアメリカ連合軍は圧倒的な範囲をカバーしていますが、それに対し最近力をつけてきたのが中国です。中国は習近平国家主席が国をリードしています。一党独裁の中国共産党の中で着々と力をつけ、圧倒的な指導力を発揮する習近平国家主席。一時、中国経済は崩壊するのではないかとウワサされていましたが、今ではそんな事を言う人はいません。ロシアはプーチン大統領が引っ張っています。大統領は10年までしかできないのを一回は子飼いにやらせて自身は首相として活躍するなど、上手く憲法違反にならないよう回避しつつ、実質的には指導者の役割を果たしてきました。恐らくまた10年大統領の地位に就くでしょう。彼の辞書に「引退」の二文字は見つかりません。

 

アメリカの地位低下とともに、日本の立場も変わるのか?

もう一つの国のイランですが、日本では大きくニュースに取り上げられることは少なく国内情勢はよく分かっていません。中東情勢について言えば、イランの一人勝ちとも言うべき図式が成立しています。かつて戦争をしたイラクは、今やイランの支配下に入っています。レバノンもまもなくシリアの勢力下に置かれるでしょうが、そのシリアもイランが過去に助けた国です。イランと対立するのはサウジアラビアですが、日本に聞こえてくる評判はまったく良いものではありません。

まだ大国ではありませんが、アフリカ諸国インドが成長してくるとアメリカ連合の国は相対的にさらに弱くなるでしょう。先ほど挙げた3国は「国のトップがずば抜けた指導力を発揮している」という点が共通していて、国が強くなるには必須の条件と言えます。アフリカやインドでもそうしたカリスマ性のある指導者が出てくるかが課題ですね。

では、これまで日米安全保障条約を結びアメリカの傘下にいる日本はどのような立場を取っていくのでしょうか?アメリカが弱くなってきている今、これまで通り日本はアメリカのいわば子分のままでい続けるのか、それとも敗戦国の日本はこれを機会に真の独立を勝ち取ることができるか?これが、今後の政治の見方ではないかと思います。

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