FX・投資をやるなら必ず知っておきたい「リーマンショック」

金融史上の大事件「リーマンショック」とは?

皆さん、リーマンショックを覚えていますか?今年の9月で事件からなんと10年が経ちます。時間が経つのは早いものですね。どんな事件だったか覚えていない人のために、今回はリーマンショックについて取り上げてみたいと思います。世界に衝撃を与えた、金融史上に残る大事件でした。

リーマンショックとは、狭義には2008年9月に起こったアメリカ第4位の投資銀行であるリーマン・ブラザーズの経営破綻を指し、広義には破綻後の株式暴落と信用収縮による世界的な金融危機を言います。リーマン・ブラザーズの破綻は、世界的な金融危機を象徴する出来事だったのです。

 

サブプライムローンが、住宅バブル崩壊で不良債権に

リーマンショックを語る上で、2007年のサブプライムローン問題は外せません。サブプライムローンとは、低所得者向け住宅ローンのことを言います。通常なら住宅ローンを借りられない人(=信用度が低く、サブプライム層と呼ばれます)が住宅価格の値上がりを背景に住宅ローンを組みました。次第に、このサブプライムローンを担保に複数まとめて証券化した高度な金融商品が生まれます。サブプライムローンというのはそもそも返済能力が高くない人が住宅ローンを組んでいるので、債務不履行になるリスクが高いはずです。そこで住宅抵当公庫(ファニー・メイやフレディ・マック、政府系のため信用度が高かった)は貸し倒れのリスク回避のため、ローンをいくつもまとめることでリスクを低く抑えられるというカラクリの債務担保証券(CDO)を、証券会社を通じて積極的に販売しました。

そして2008年中旬、最も恐れていたことが起こりました。アメリカの住宅バブルが崩壊し、広範囲で資産価格の暴落を引き起こしたのです。9月15日には、金融業界の中でも特に大きなリスクを取っていたリーマン・ブラザーズが、米連邦破産法第11条の適用を連邦裁判所に申請し、破綻しました。負債総額はなんと約64兆円で、世界でも史上最大の倒産劇となりました。この額は日本の税収よりも大きいので、事の大きさが分かると思います。

 

株式暴落と信用収縮で、世界的な金融危機に

この事件はそれだけにはとどまりません。実は2008年3月に投資銀行のベアー・スターンズが経営危機に陥った時は政府による救済があり、当時マーケットでは「政府は大きすぎるリーマンを見捨てないだろう」という楽観論が多数派でした。しかし、予想は外れ政府はリーマンを救済しなかったため、より大きなショックが市場に広がったのです。サブプライムローンは債務担保証券となって世界中の国や企業、金融機関にばらまかれていたため、アメリカ国内だけにとどまらず、世界的な株式相場の大暴落が起こりました。さらに、「リーマンの破綻をきっかけに第二のリーマンが現れて欧米の大手金融機関の連鎖破綻が起こるのではないか」という疑心暗鬼が市場に広がり、資金調達の場である金融市場が全く機能しなくなりました。

このような危機的状況に対して、連邦準備制度(FRB)を始めとした各国の中央銀行は資金を直接市場へ供給すると共に、欧米諸国を中心に大手金融機関に対して公的資金を使った資本注入を行いました。実はリーマンに続いて9月16日にAIGが危機に陥ったのですが、FRBが緊急融資を行い政府の管理下で経営再建しました。何故かリーマンブラザーズだけ見捨てられたのです。不思議ですね。

 

リーマンショックが世界に与えた影響は甚大だった

ところで日本はどうだったかというと、長引く不景気からサブプライムローン関連債権にはあまり手を出していませんでした。日本でも大和生命保険が倒産しましたが、世界的な規模で考えるとリーマンショックから受けた直接的な影響は軽かったと言えるでしょう。しかし、リーマンショックを境に世界的な経済の冷え込みから消費の落ち込み、金融不安で急速な円高ドル安が進み、米国市場への依存が強い輸出産業は大きなダメージを受けたことで、結果的にリーマンショックは日本経済の大幅な景気後退へと繋がりました。

歴史的に見て、2008年のリーマンショックは一企業の経営破綻というレベルの出来事ではなく、サブプライムローン問題を世界的な金融危機に発展させ、さらに逆資産効果(※)と需要消失による世界同時不況に陥れる「引き金」となった出来事であり、世界の実態経済に大きな傷跡を残すことになりました。

(※)不動産や金融商品など、所有する資産の価値が下落した時、それに比例して消費や投資を控えるようになること。

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