時代の変わり目にいる今、銀行はどこを目指すのか?

貸出先の減少とマイナス金利で、銀行の収益基盤が脆弱に

近年、銀行に大きな変革の波がやって来ています。

銀行はマイナス金利の影響を受けて、口座維持手数料の導入が現実味を帯びてきたそうです。手数料の額によっては、年間で受け取れる利子よりも手数料のほうが大きくなり、お金を預けているだけで資産が減っていく可能性も高いでしょう。また、ゆうちょ銀行が地方銀行や企業の運用を引き受けるという構想が浮上しているなんていうニュースもありました。これらは何を意味しているのでしょうか?それはお金が余り、貸出先が少なくなっているということです。

 

未来に希望が持てなければ、貸し出しは増えない

そもそも銀行は、預金者から預かったお金を企業や個人に貸し出し、その対価として受け取る貸付金利を主な収益源としていますが、昨今の不況により企業や個人が投資や消費を控えているため、貸出先が見つからずお金が余ってしまいます。そこで、日銀は2016年にマイナス金利(-0.1%)を導入しました。金利がマイナスになると、民間金融機関が日銀にお金を預けているだけで日銀に対してお金を払わなくてはならない(※)ので、銀行は貸し出しを増やすだろうと考えられました。ですが今のところ景気刺激効果はあまり見られず、逆にマイナス金利が地方銀行などの収益を圧迫しています。

根本的な問題は、「銀行からお金を借りたい」と考える企業や個人が少ないことにあります。将来が見えない今の時代に、誰がリスクを取って投資したり消費をしたいと思うでしょうか?しかもはっきりと人口減少の未来が見えている、ということは今後経済は低成長するにとどまるか、もしくはマイナスになる可能性さえあるのです。これでは今後も貸し出しが増えるとは考えづらいですよね。私たち一般人にとっては、「銀行にある貸し出せない余ったお金を我々にバラまいてくれ!」と言いたくなる話ではありますが。

(※)より詳しく説明すると、民間金融機関が日銀に保有する当座預金残高は三層に分かれており、「日銀当座預金残高(0.1%)」「マクロ加算残高(0%)」「政策金利残高(▲0.1%)」があります。このうち、「政策金利残高」にのみマイナス金利が適用されています。

 

テクノロジーの発展により、銀行消滅が間近に迫る?

ここまで銀行の現在の状況と未来の展望を見て、今後貸し出しが増える可能性は低いだろうという結論が出てきました。銀行は次の収益源を見つけなければならないのですが、こうなってくると銀行そのもののあり方を問われる大問題になってきます。

こうした動きにさらに追い打ちをかけるのが、テクノロジーの発展です。特に銀行を脅かしているのは「ロボット」「AI」と「フィンテック」でしょう。AIとは人口知能のことを言い、テレビや新聞でも今盛んにもてはやされていますよね。これは銀行に限らずですが、人間ができる仕事を人工知能が難なくこなせてしまう時代がやって来ると、職を失う人が大量に出てきます。窓口業務など銀行で行われている定式化された単純作業であれば、真っ先にAIへと置き換えられていくでしょう。昨年末には、国内第3位のみずほフィナンシャルグループが早くも、「中小企業向け融資審査にAIを活用する」「今後約10年の間に1万9000人分(グループ全体の約3分の1にあたる)の業務量削減をする」と発表しました。

もう一つのフィンテックとはファイナンス・テクノロジーの略で、金融(ファイナンス)の課題をテクノロジー、つまりITを使って解決する新しい潮流を言います。ビットコインなどの仮想通貨がフィンテックの代表格となっていますが、もし仮想通貨が社会でメジャーになれば何が起こるでしょうか?あなただったら「銀行に預金を預けても資産が増えないどころか減ってしまうのであれば、預金を引き出してビットコインに投資しよう!」と思いませんか?さらに視点を広く取ると、オンライン決済・送金サービスや電子マネーといった、インターネット上でお金のやり取りが完結するテクノロジーが高度化すれば、モノとしてのお金(紙幣や硬貨)を持つ必要さえ無くなるかもしれないのです。そうなればもはや、お金を安全に保管する金庫番としての銀行さえ存在できないでしょう。

 

個人の「お金に対する付き合い方」も変わる

私が子供の頃は銀行の利子が6%はあったので、「10年銀行に預けたらお金が2倍になるから、銀行に預けなさい」と教わりました。ですが今は違います。時代が大きく変わる瞬間がすぐそこまで来ているのです。銀行にとっては難しい経営判断を迫られる苦難の時代ですが、個人にとっては価値観が、社会が大きく変化する面白い時代が来たとも言えます。実際、今まであった預金至上主義の意識も薄くなり、お金との付き合い方が変わってきているのを肌で感じませんか?その証拠に、銀行にお金を預けるよりも、金融資産にお金を回して投資をする人は増えているのです。銀行に黙って手数料を取られるくらいなら、少額でもFXに投資をするほうがよほど有益です。

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